3の続きです。
2009年、北海道ツーリングの翌年になります。
この年に、CRキャブレターに関する記事を書いたブログを知り合いから紹介してもらいました。
詳しくは覚えていませんが、今まで聞いたことのない内容ばかりで非常に参考になりました。自分の知識は如何に被らないようにセッティングするかばかりでしたが、レーシングキャブレターとしての使い方を優先した大胆なセッティング内容でした。
具体的にいうと、JNはYY7やYY6を使ってSJは#60以下でアイドリングの安定よりも、中低速のトルク重視の設定です。自分はY9より濃いJNを使ったことがなくて、どうやったらそんなJNを使ってまともに走らせる事が出来るのか不思議に思いました。恐らく渋滞では乗りにくいのではないかと思いました。ちなみに、関西の2輪業界にはCRに詳しい人は居ないに等しいと思います。せいぜいCR29φでMJ、SJ交換した知識があるくらいだと思います。
話は脱線しますが、モリワキレーシングの80年代くらいの書物に鈴鹿でモンスターのZを八代俊二選手が走らせた記事が載っていて、3速で回して乗らないといけないコーナーを4速で回転を落として走ってしまうだけで、被って走らなくなるそうです。それだけ本気でパワーを追及すると街乗りを無視しないとパワーは出せないんでしょうね。
それからそのブログを小まめに見ていると4月に京都へツーリングに来るという告知をみて、そのツーリングに参加することにしました。当日までに参加の旨を事前にお伝えしておきました。
目的地ですが、自分は京都に走りに行ったことが殆どなくて場所がよく判らないのですが、嵐山を越えて1時間くらい走ったところで広い駐車場のあるところに到着しました。道中もなかなかいい感じの山道でした。
ここで交換試乗をすることになり、お互いに乗ってみたいバイクに乗れるという試乗会が始まりました。他にもちょっと興味のある車両はありましたが、目的はブログの方の車両だけなのでそれだけ試乗させていただきました。排気量は1000ccでCRの31φにラムエアーだったと思いますけど、直キャブではありませんでした。
初めて乗る車両なので、どれだけ走るのか想像がつきませんでしたが、これでも4大メーカーの空冷4発の1000ccクラスは殆ど乗ったことがあります。乗っていないのはZ系でLTD系統とヤマハの空冷ぐらいでしょうか?
まず、またがってから3000rpmくらいまで軽く空ぶかししましたが、恐ろしいくらい吹けあがりが軽く、走りも軽快でした。借り物なので、無茶は出来ませんでしたが、高回転まで無難に谷もなくエンジンは回りました。走りの印象は何となくファイナルが加速に振ってある感じで排気量が少し低く感じるトルク感でしたが、今まで自分が乗ったことのない味付けのセッティングだったと思います。ケイヒンの既存のパーツでよくここまで仕上げてあるなと感心しました。自分はY9よりも薄いJNで苦労した経験しかありませんでしたからYY6、YY7でちゃんとセッティング出来れば結構まともに走るんだと思いました。
次は自分のZを乗ってもらう順番がきました。戻ってきてから「低速トルクが無いですね!立ち上がりであまり加速しない」ような回答でした。あまり急にアクセルを開ける習慣がないのもあって気が付きませんでしたが、最初はこっちが対照的にファイナルを高速に振ってあるからそう感じたのかな?と思いました。530サイズでF18-R40なのですが通常フロントのスプロケットは17丁がメインだと思います。
それからツーリングはまだ他のルートを走り回る予定になっていましたが、目的は済んだので先に帰ることにしました。正直3°00′のJNで低速トルクが無いと言われるとは思いませんでした。それからこの言葉ズーッとひっかかるようになりました。普通に乗っている分には何も問題ないし、北海道の峠もそれなりに走ってこれました。
この言葉の通り低速トルクを増やすならストレート径を細くするしかありません。確かにYY1の寸法では低速トルクがあるはずがありません。よくこんなんで上まで繋がって走れるなと今になって思います。恐らくSJが#70で繋がってくれていたんだと思います。それからストレート径をワンサイズ(YY0同等)だけ細くした3°00′のJNを注文しましたが、やはりYY6以上の低速トルクになるはずがありません。
今までやってきたことはレーシングキャブレターの性能を最大限に引き出せていませんでした。そういう意味ではYY6なんかを使った方がいいのかもしれません。
これ以上、単一のストレート径で出来る術はなく、これが限界だと思い、これ以降、FCRの小型ボディのJNを作ることはありませんでした。まだこの時点ではZ系専用設計の構想はありませんでした。・・・とういことで今日はこのへんで!
それから、この年の秋にブログを開設しました。
京都に行った時のツーリングの写真が1枚もありません。あと、これ誰なのか、わかりますよね?
また応援ヨロシクです!